いかがでしたでしょうか、文章は、そのままですので少し古い感じがしたと思います。また、ここに紹介した挿絵も原作は、影絵じたてになっていました。 そこでこれだけは手を入れて、色をさしました。(影絵の作者は、KMSの水田、斉藤、田巻の三氏)
 カードに関する話は、小さくばらばらにたくさんあります。他の項で精一杯いろいろとお話したつもりです。でもしかし、この神秘性について、体系化した話と言うのはありそうでいて今まで無かったのです。
 これは、科学なのでしょうか。・・・・??   いいえ、たんなるつじつま合わせです。悪く言えば、カルトチックな新興宗教の世迷言とあまり代わりがありません。
 しかし、しかし、もっとしかし、この世の若くて知的で優しい女性たちは、この種の話が大好きなのです。
 現在では、占いの世界では、タロットが全盛です。ところが、これをやるとなるとカンニングペーパーが必要です。カードならそのようなことはありません。既に、これだけ壮大なバックボーンがあるではないですか。
 カード遊びにあきたなら、彼女達に占いをすると、申し込んで御覧なさい。即座に飛びついてきます。そこでなすべきことは、まず、いずまいを正し、そして自分の持ちえる全知識と全演技力を総動員して、テーブル上に現れた、カードの意味をつじつまのあうように読み解いて、彼女が気に入るように、解釈してあげるということなのです。
 四十数年前、救世軍の日曜学校に通っていた私は、旧約聖書、創世記。冒頭の七日間の記述、それはこの宇宙の創生を記述しています。はたして、それとこれは、どこが違うのだろうかと思い悩んだのです。

 (クイン)
 クインは女性を表しています。剣を持ったキングやジャックと違って、平和が大好きなので、手には花を持っています。そして性質は・・・・それが、どこを向いているかによってわかるのですが、それは皆さんのご想像にお任せいたしましょう。もし、はっきり知りたいとお思いになるのでしたら、今晩おうちのカードを、そっとおだしになってごらんください。

 (スペード)
 死を恐れることは、全ての人間に共通した性質です。ところが、キングとジャックをくらべますと、若者はキングより無知であり、またキング以上に死を恐れています。ですから、できるだけスペードの方を向かないように心がけているので、片目しか見えていないのです。

 (クラブ)
 さて、キングは長年の経験から、知識を得ることが大切であることをよく知っているので、クラブの印のほうを向いていますが、皆さんがよくご存知のとうり、若者は愛に忙しく、知識には無関心ですから、ジャックはクラブの印とは反対のほうを向いています。

 (ハート)
 ところが、ハートを見ると、若者は富よりも愛のことを考えるので、ジャックはハートの印のほうを向いています。一方、キングは富こそが権力であると言うことをよく心得ているので、ハートを見る瞳は、ダイヤを見る時ほどに一生懸命ではありません。
 

 (ダイヤ)
 なお、これら4つのことがらに関して、人間の性質がカードの絵札の中によくあらわされています。すなわち、カードのジャックとキングをくらべてみると、次のようなことがわかります。まずダイヤを見ると、キングは富が大好きですからダイヤの印のほうをむいているので、片目しか見えておりません。ところが、若者を表すジャックは、キングほど一生懸命にダイヤの印を見ていないので、両目が見えています。

 (死)
 最後は、死。これはスペードです。死の世界は、穏やかな清い静寂な世界でありますが、死はまた、有意義であった長い人生の最後を飾る美しいフィナーレでもあります。

 (知)
 第3に知識。これはクラブです。姥捨て山に捨てられそうになった老婆の知恵が、一国を救ったと言うお話を、皆さんもご存知と思いますが、このように長年かかって積み立てられた知識は、永久に失われる事のない宝です。

 (富)
 次は、富。これはダイヤです。宝島におけるジム少年の冒険、岩窟王のモンテクリスト伯爵、開けゴマのアリババの物語などを見ても、お解りになるように、人々は富に限りない憧れを、いつも心に抱いております。

 (愛)
 人生には重要なことが4つあります。愛・・・これはハートです。親子の愛、友達同士の愛、また多くの美しい童話に出てくるようなあの王子様と王女様との愛の物語。人々が、お互いに愛し合うことによって、世の中が平和に保たれています。

 (Joker)
 最後の一日を表すために、ジョーカーがくわわっており、閏年のためにジョーカーは二枚あることになっているのです。

 (1年)
 1年は365日ですが、カードの印を数えるとジャックを11、クインを12、キングを13として、合計364になります。

 (暦)
 次に、暦とカードの関係について少しお話しいたしましょう。1年はまず13の太陰月に分けられました。そこでカード一種類につき、13枚づつのカードがあります。太陽暦の今は1年が12ヶ月ですから、そのために絵札が12枚になっています。またカード1組52枚は、1年52週を象徴しています。

 (冬)
 やがて木の葉が一枚一枚と散っていき、木枯らしが吹くようになって寒い冬がやってきます。冬は雪の季節です。雪合戦、雪だるま、雪つり、野山が一面の銀世界になると楽しいクリスマスがやってきます。そしてお正月。やがて雪の割れ目から、雪割り草がかわいいかおをのぞかせるころになると、再び希望に満ちた春が訪れるのです。

 (秋)
 秋は空の美しい季節です。夕焼け、山のお寺の鐘がなり、雁が西の空をあとにして飛んでいくと、まもなく、あちこちの草むらから、かわいい虫の奏でる小さな弦(ゆみずる)の合奏が始まり、東の空からはお盆のように丸い十五夜の月が姿を現します。

 (夏)
 やがて梅雨が訪れ、雨がカラリとあがり、暑い夏が訪れます。七夕祭り、花火大会、海水浴、ハイキング、盆踊り、そして山登り。夏が楽しい思い出を残してすぎていくと、もう涼しい風が吹いて、すがすがしい秋がやってまいります。

 (春)
 さて、一年は四季に分けられますが、これを表すために、カードは四種類に分かれています。春・・・雪が解けて、梅の花がほころび、鳥が美しい声で歌うようになると、春がやってまいります。お花見、つくしとり、メダカすくい、花摘み、野原には色とりどりの花が咲き乱れ、蝶ちょが花から花へ、舞い踊る。春は花の季節です。

 (昼)
 残る半分は、昼間を表す光の世界にあります。神様は、人々が仕事をし、人生を楽しむことができるように、明るい昼間の世界を、我々にお与えになりました。これを表すために、カードの残り半分は赤のカードになっています。

 このページは、正直言って盗作です。いろいろ工夫して、自分流にアレンジしようと色々と考えましたが、くやしいけど、原作のほうがはるかにいい。ですから、これは皆さんに紹介すると言う形をとりたいと思います。
 原作者はアメリカ人で、SAMの会員であるG.A.ミューラー氏ご夫妻、1958年の夏のことです。氏がMUM誌に発表した直後に日本を訪れ、当時KMSの幹事長であった気賀康夫さんや、帰国まもなくの天海先生たちに帝国ホテル新館で原稿を手渡したものです。
 それを、1959年の秋、渋谷 白馬車での第三回KMSの発表会で披露されたものなのです。 そして、奇研の17号1960年の春季刊で世に出たのです。
 そして、それはまだ読める字の少なかった、小学生の私を無限の世界へと誘ったのです。




 (夜)
 時間と言うものが始まってこの方、地球の片側半分は、夜を表す暗闇の世界にあります。神様は、人間に休息する時間を下さるために、静かな夜の世界をお作りになりました。これを表すために、カードの半分が黒のカードになっております。