今まで、フェイス(表)の話ばかりしました。ようやく裏の話です。裏は単にバックです。ダイ・バーノンのマジックにオールバックという傑作があります。
普通のカード、ワンデックがいきなり、フェイスがなくなり、全てバックだけになるという、とんでもないマジックです。
この奇抜なシチュエーションに彼の天才性が如実に現れているのです。
裏が単なる裏でなくなり、表であることを主張し始めたとき、それはもはやカードですらない。
その不安の中、自然界の浄化、生態系の再生の如く、再びフェイスは現れ、カードに二元性が戻り、そして全てがめでたく元に戻るというわけです。
この大変に劇的なマジックは、その後多くのマジシャン達がその数ほどの、改案を発表しました。
しかし、オールバックは彼の創作であり、これほどそれまでは、誰も見向きもしなかった、カードのバックに注目を集めさせた作品はなかったのです。
一応、今後の説明の中で出てくる言葉も覚えておいてください。
4隅を左前コーナー、右前コーナー、左後コーナー、右後コーナー。
短辺を前エンド、後エンド。長辺を左サイド、右サイドです。

